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【香港】日本産和牛のマークを刷新、他国と差別化へ

NNA 8月18日(金)1時57分配信
 日本産和牛の普及を狙い、海外で導入されている統一マークが一新される。香港では米国産やオーストラリア産の和牛が流通する中、「和牛」よりも「日本産」を強調し、差別化を図る。日本産和牛の輸出が2桁のペースで拡大している重要市場の香港で、さらに認知度を高める狙いだ。【森ちづる、エイミー・ウォン】
 香港では2015年末から日本産和牛に「和牛統一マーク」が貼られるようになった。これまでのマークには「WAGYU」という文字が大きく書かれていたが、新しいマークは「JAPAN」に改めた。米国産、オーストラリア産の和牛が流通する中、「WAGYU」ではなく、「JAPAN」を前面に打ち出すことで差別化を図るのが狙いだ。
 16日には日本畜産物輸出促進協議会が新しい和牛統一マークの発表会と日本産和牛の試食会を香港で開催。日本や香港の業界関係者やメディア、ブロガーなどのインフルエンサーら約120人が出席した。
 中央畜産会の強谷雅彦専務理事は、これまでも日本産和牛を扱う香港の店先にもマークが貼られるなど、一定の認知度は得ているとみる。ただ、「(今回のイベントに)これだけの人が集まったということは、日本産和牛への理解はまだ進んでいないとも言える。引き続きマークの普及に向けて努力したい」と述べた。
 ■「どんな時に食べるか」を意識
 イベントに参加した雑誌編集者の若い香港人女性は、「ここに来るまで日本以外の和牛との違いを理解していなかった。統一マークは一般に広まれば有効だと思う。香港人は牛肉が好きだが、スーパーなどで購入する時は、どんな時に食べるかによって選ぶ基準が違う。例えばパーティーなど特別なときはおいしさや原産国を気にするが、家庭での消費であれば価格を重視する」と述べた。
 強谷氏によると、香港は日本産和牛の輸出先で4分の1を占める重要な市場。17日に香港・湾仔で開幕した大型食品見本市「フードエキスポ2017」でもブースを設け、試食品を振る舞った。
 フードエキスポで試食した中年夫婦は、「オーストラリア産の牛肉を食べることが多いが、(試食した)和牛は新鮮で濃厚な味がした。質が良い印象を持ったが、価格がネック。また、油っぽさからたくさんの量を食べられない」と話した。中国本土から訪れたバイヤーは、「値段は高いが、とてもおいしい。購入する時は価格と味のバランスを見る」とコメントした。
 来場者からは価格を気にする声も聞かれたが、強谷氏はモモ肉やバラ肉、肩ロースなど、同じランクの和牛でも部位によっては値段を抑えることができると指摘。「一般家庭でも十分おいしく食べてもらえる価格帯の商品があることを周知していきたい」と意気込んだ。
 香港への牛肉輸出は増加傾向をたどる。日本の農林水産省によると、香港向け農林水産物の輸出上位10品目で、牛肉は2015年にトップ10(輸出額30億円)に入り、昨年には順位を7位(40億円)に上げた。直近年は毎年2桁のペースで牛肉の輸出が増えており、市民の間で和牛の認知度が高まっていることも背景にありそうだ。
 16日のイベントに参加したミートコンパニオン(東京都立川市)の植村光一郎常務は、日本産和牛が香港を訪れる本土を主とした旅行者の需要を取り込めているとの見方を示した。和牛が牛肉の一種という認識ではなく、「和牛」という一つの食材として意識付けされつつある状況も指摘した。
 ■競合とは見なさず
 植村氏は他国産の和牛について、「品質の割には値段が高い印象」としながらも、「和牛」という言葉を広めるツールでもあり、競合とは見なしていないとの見方を表明。強谷氏も今後は他国産和牛との質の違いをアピールして、市場を奪っていくと抱負を語った。
 一方、香港の中産階級では比較的濃い味の米国産牛肉が人気となっているようだ。米国産やオーストラリア産の冷凍肉を多く扱う香港企業ミスター・ビーフの担当者は、「口の中でとろける日本産和牛の味覚が好きだという市民もいる。日本で和牛を食べ、香港でも購入しようとする人もいるが、香港のスーパーマーケットでは簡単に手に入らず、高価だ」と指摘。市民が購入する際には一般的に、産地やブランド、等級を重視しているという。

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